ねこのひとりごと

猫と彼との1匹と2人暮らし。日々の暮らしで思ったことを、ただ綴るブログです。

事実って何だろう?「最後の証人」を読んで。

 

こんにちは。ミニマリストねこです。

 

最近、柚月裕子さんの本にはまっています。

映画やドラマで映像化されることも多い作家さんで、名前は聞いたことがありましたが、気になって読み始めたのは最近です。

 

 

先日読んだのは、「最後の証人」。

 

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弁護士・佐方貞人シリーズの1作目。私は知らなかったのですが、テレビドラマ化もされていたみたいですね。

 

ホテルで起こった殺人事件。証拠が揃っているにもかかわらず、被告人本人は無罪を主張。

法廷での証人尋問と同時に、この事件と深く関わる7年前に起こったもう1つの事件の振動が明らかになっていきます。

 

被告人は無罪なのか、有罪なのか。事件の背後には何があるのか。真相を明らかにしていく法廷ミステリーです。

 

 

この小説を読んで1番驚いたことは、同じ証拠を目にして同じ事件を見ているのに、弁護側と検察側では全く違う主張していること。つくりあげたストーリーが違うんです。

 

そんな違いを生んでしまうのは、弁護する側と起訴する側という立場が先にあって、立場を前提に事実のストーリーを組み立てているからなんだと思います。

 

証拠を見ていく中で無罪か有罪か考えるんじゃなくて、先に無罪か有罪かという結果を決めてからその証拠になるもの・論拠になる証拠を集めていくから。

 

 

同じ出来事を見ているのに人によって全く別の出来事のようになってしまう。人によってつくるストーリーや捉え方が違う。しかも正反対の出来事が起こっているように誤解してしまうこともある。

 

こういうことって日常でも起こっているのではないかなと思いました。

 

私たちの日常に起こる出来事でも、こうであって欲しいとか今までの経験だとこうだったとか、先になんとなく結論やストーリーを決めてから物事を見てしまっているのではないかなと。

 

何の先入観も感情移入もせずに、フラットで中立な立場から物事を見ることはとても難しいことなんじゃないか(もしかしてできないんじゃないか)と思いました。

 

 

見る人によって起こった出来事はまったく正反対のものにもなりうる。

 

そう考えると、

 

事実なんてあるのだろうか?

事実は人の数だけあるのではないか?

事実を知ることなんてできるのだろうか?

 

と、事実というものがわからなくなりました。

 

裁判のように正反対の意見を戦わせ第三者が判断しない限り、事実を知ることはとても難しいことなんじゃないかなと。

 

同じ出来事を見ても、私とまた別の人ではつくり上げるストーリーが違うかもしれない。

 

私たちが普段、事実だと思っていることは本当は誰かが都合の良いようにつくったストーリーなんじゃないか、とも思えてきたりしました。

 

 

 

著者の柚月さん本人もおっしゃっていますが、小説を書くときに大切にしていることは動機だそうです。私が柚月さんの小説を面白いと感じるのは、動機を描く作家さんだからだと思います。

 

作中にこんな表現がありました。

 

どのような理由であれ、罪は罪として償わなければなければならない。しかし、まっとうに裁くということは、事件の裏側にある悲しみ、苦しみ、葛藤、すべてを把握していなければ出来ないことなのではないか。行動の裏に理由があるように、事件には動機がある。そこにある感情を理解していなければ、本当の意味で罪を裁くことにはならないのではないか。

 

この言葉は著者である柚月さん本人のものなのではないかなと感じました。

 

人はときに、良いとされる行動だけではなく、自分にとって良くない行動をしてしまうこともある。人はどうしてそのような行動をしてしまうのか。

 

その最たる行動は犯罪です。犯罪を犯さざるを得なかった人間の過去や人生とその理由を私は知りたいなと思うんです。

 

柚月さんの小説はそんな、人間の行動の理由や悲しみ・怒りなどの感情を描いています。だから私は柚月さんの小説が好きだなと思います。

 

これからしばらく、柚月裕子さんの小説にはまりそうです。

 


最後の証人 「佐方貞人」シリーズ (角川文庫)

 

 

もう二度と騙されない。今度は私が騙す側に回ってやる。悪女と騙された女、本当に悲しいのはどちらなのでしょうか?

 


ウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫)

 

 

共感覚という特殊な能力を持つがゆえに、誰にも信じてもらえない、理解してもらえない。世界を拒絶した青年の孤独。

人を信じられるからこそ、頼ることができるからこそ、人は生きていけるのかもしれない。

 


臨床真理 (角川文庫)

 

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

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