ミニマリストねこの暮らし

1匹と2人で暮らすミニマリスト

羊と鋼の森を読んで。才能があったって、なくたって、生きていくんだ。

 

こんにちは。ミニマリストのねこです。

 

面白い本に出合えたときって、幸せを感じますよね。私は大げさでなく、生きてて良かった~って思います。

 

本はいつも私に知らない世界を見せ、新しい何かに気づかせてくれます。

 

 

今回読んだ「羊と鋼の森 (文春文庫)」(宮下奈都・著)も、そんなふうに私を幸せにしてくれた本です。

 

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ストーリーは一言でいってしまえば、ピアノ調律師の道を究めていく青年の成長の物語。

ですがそんな一言では言い表せない成長していく上での迷いだったり葛藤だったり、彼の心情がとても細やかに繊細に描写されていくところが、この小説の魅力だと感じました。

 

本を読みながら音や音楽って言葉や文章に通じるものがあるんじゃないかなと感じて、主人公の音に対する姿勢を私にとっての言葉に重ね合わせて読みました。

 

 

中でも私が一番、ぐっときた文章。

 

「才能がなくたって生きていけるんだよ。だけど、どこかで信じてるんだ。一万時間を越えても見えてこなかった何かが、二万時間をかければ見えるかもしれない。早くに見えることよりも、高く大きく見えることのほうが大事なんじゃないか」(P224)

 

才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(P224)

 

この文章、刺さりました。今まで何かを始めるときやうまくいかなかったとき、自分が好きかどうかよりも、自分には才能がないのかもしれないと悩んでしまいがちでした。

才能という言葉を自分がうまくいかないときの言い訳にしていたのかもしれません。

 

確かにある一定の段階を越えるには才能が必要で、才能がなければ到達できない領域ってあるんだと思います。

でもそこまでいかない領域では、コツコツ続けること、より良いものを目指そうとする姿勢が大切なんだなと気づかせてもらえました。

 

 

ブログを書いていると自分が思ったように書けなくて、自分には文章や物語をつくる才能がないんだと落ち込んだりすることも多かったです。好きだからこそうまくできないことがつらい。

ですが本を読みながら、才能がなくても続けることで到達できる領域がある、私はまだそこにすらたどり着いていないって思いました。

 

才能があるかないかより、自分の理想を目指して続けていけるかの方がよっぽど大切なこと。他人と競争したり比べたりすることじゃなくて、自分が上達していくことが大切なんですよね。

文章を書くことも(もしかしたら片づけも)一発逆転みたいなものはなくて、筋トレみたいに毎日コツコツと続けることが自分の力になっていくのかもしれないなと思いました。

 

 

こんな表現もあります。 

決して誰かと競うようなものじゃない。競ったとしても、勝負はあらかじめ決まっている。楽しんだものの勝ちだ。

ホールでたくさんの人と聴く音楽と、できるだけ近くで演奏者の息づかいを感じながら聴く音楽は、比べるようなものではない。どちらがいいか、どちらがすぐれているか、という問題ではないのだ。 (P146)

 

比べることはできない。比べる意味もない。多くの人にとっては価値のないものでも、誰かひとりにとってはかけがえのないものになる。(P147)

 

またしても音楽を文章に置き換えて、自分に重ね合わせて読みました。

多数の人にとって価値があるものは私には書けないかもしれない。それでも自分が楽しんで書けたら、書くことは表現することは私にとって意味がある。そう感じました。

音楽も文章ももともとは楽しむためのものだったはず。自分が楽しむことが1番大切なのかもしれないなと、初心に立ち返らせてくれたような気がします。

 

 

これらの言葉はもしかしたら著者が小説家として、文章を書くことを仕事として生きていく中で切実に感じたことだったのかもしれません。

才能とかあってもなくても関係なく、ただ自分のために楽しんで文章を書き、自分にとってのより良い文章を目指していく。それでいいのかもしれないと、気づかせてくれる小説でした。

 

言葉だけでこんなにも人の心を動かすことができる作家さんってすごいですね。この小説を読めて良かったなと思います。映画にもなっているようなので、気になった方は是非。

 


羊と鋼の森

 

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

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